\生徒は/ LINE友だち登録

LINE友だち登録

COLUMN

  • すべて

    税金などのお金・スキル活用・講座開催に関する役立つ情報をご提供。
    あなたの先生になるという夢を実現するためのお手伝いをします!

  • お金のはなし

    先生活動を始めてみたけれど、このやり方でいいの?
    仕事をする上で確定申告など税金のはなしや収入面など気になることがたくさん。
    そんなあなたには「お金のはなし」がぴったり!

  • スキルのはなし

    先生活動を始めてみたけれど、このやり方でいいの?
    もっと講座内容を充実させたい!講座をする上で必要なスキルについて知りたい!
    そんなあなたには「スキルのはなし」がぴったり!

  • 講座のはなし

    先生活動を始めてみたけれど、このやり方でいいの?
    おすすめの講座内容や最新情報など講座開催に関する役立つ情報を知りたい!
    そんなあなたには「講座のはなし」がぴったり!

  • インタビュー

    先生として活躍されている方への「インタビュー」記事。
    九州を中心に活躍されている方の体験談をご紹介します。
    あなたが先生として活躍するために役立つ情報がきっと見つかる!

  • スキルのはなし

九州の「習い事市場」は、どのように変化していくのか?【おけいこ会議】Vol.1

  • #スキル
  • #個人事業主
  • #副業
  • #教室
  • #社会貢献

九州電力株式会社「おけいこタウン」サービス事業責任者 田畑耕一氏がゲストを招き、習い事・働き方などについて話し合うシリーズ【おけいこ会議】。第一回は、協業する西日本新聞TNC文化サークルの三村龍一社長を招き、「九州の習い事市場」をテーマに対談。なぜ九州電力と西日本新聞社は習い事市場に参入したのか? その意義や現在の市場動向、そして今後の可能性について話し合いました。

1.「社会貢献」を目的に始めた習い事事業

ーはじめに九州電力と西日本新聞TNC文化サークルが習い事市場に参入されたきっかけをお聞かせいただけますか?

三村龍一(以下、三村):西日本新聞TNC文化サークルは1960年に開設されました。当時の名称は「西日本新聞婦人文化サークル」でした。女性の社会進出と生涯学習、それと地域文化の振興などを目標に掲げてスタートしましたが、当時は九電が母体で初代理事長も九電の社長。うちは依頼を受けて手助けする立場で参画したんですね。

田畑耕一(以下、田畑):九電ではもともと多くの社会貢献事業をやっていますが、当時はビジネスというよりは「社会貢献活動」としてサークル事業に取り組んでいたと思います。そのなかで、西日本新聞はこの事業には欠かせない文化関係者との関係が幅広く豊富だったことから、「一緒にやりませんか?」とお声がけしたのではないでしょうか。

三村:現在は、弊社が単独で西日本新聞TNC文化サークルを運営していますが、今でも協業関係は続いています。発足当時から九電とは深い関係にあるんですね。

ーその後、九州電力は「おけいこタウン」を立ち上げ、本格的に習い事市場に参入されました。

田畑:そうですね。九州電力自体は習い事業態とは全く関係がないため、「なぜ九州電力が習い事事業をしているの?」と不思議に思われるかもしれません。

今我々は、街づくりに積極的に取り組んでいます。例えば、ららぽーと福岡などもその一環で、「九州の発展なくして九州電力の発展はない」と考えているため、そのつながりで街づくり事業を推進しています。そこにソフトウェア的な「人の集まるようなコンテンツ」を加えることで、さらなる発展が期待できます。

それと、もともと九州電力は、各地にいろいろな施設を持っていて、そこに人が集まってほしいというねらいもあります。こうした課題を解決するためにも、人が集まるコンテンツの一つとして習い事事業は有効だと考え、新規事業として本格的に取り組んでいこうということになりました。

2.習い事市場の現状と課題

ー習い事市場に参入された後で感じた可能性や課題などお聞かせいただけますか?

田畑:習い事事業は昔から歴史のある事業ですが、年齢層はどんどん上がっていて、若い世代の人たちがカルチャースクールというものにあまり目が向いていないようなイメージがあります。その理由はまだ十分に分析ができていないのですが、データを見る限りカルチャースクールに通っている人たちの年齢は、比較的高い層で固定されているという認識です。

しかし、若い人たちは習い事をしたくないというわけではなく、実はいろいろな教室に通って習い事をしているという事実もあります。仮説としては、今では人と習い事の接点が新聞の紙面ではなくて、スマートフォンなどインターネットになっている。そこでスマートフォンやインターネットを見ている大多数の人たちに情報が届くように、ネット上での習い事マッチングサービスを始めた、というのがおけいこタウンになります。

三村:たしかに習い事市場の傾向としては、全国的にもピークは80年代で、90年代のバブル崩壊とともに衰退期に入っていきました。

衰退期に入ったのは、共働き世帯が増え、受講生の主力である主婦層に余裕がなくなったことが一番の理由だと思いますが、なかなか新しい人が習い事をする機会がなくなっているという現状もあります。その一方で、田畑さんの言う通り、ニーズが潜在化しているだけでなくなっているわけではないと私たちも考えています。

以前は、新聞に「こういう講座を何曜日の何時からやります」と掲載するだけでたくさんの受講者が集まっていました。それだけメディアとして新聞の影響力が大きかったし、それで事足りていたんですね。しかし、今は新聞に掲載するだけでは新聞を購買しない多くの人々の目に触れないという現実があります。

紙媒体として新聞の発行部数が年々減り続けている今、九電のおけいこタウンのようなネットで教えたい人と習いたい人のマッチングを行うサービスは、新聞を読まないような人たちに習い事事業の情報を届けるのに有効な手段であると思っています。

田畑:もう一つの課題としては、自分が住んでいるエリアに先生がいないという問題があります。福岡で開催している講座に鹿児島や熊本から来ている人もいる。そういう意味では、逆にそれぞれの地域に我々が先生を派遣できるようになると、各地域でも生徒の負担が減ると思います。

三村:なるほど。そのためにも新聞などの紙媒体とも上手に連携しながら、いかにおけいこタウンのサイトを多くの人に見ていただくかという工夫が必要ですし、今後の最大の課題かなと思いますね。

3.教える「場所」や「機会」は増える

ー習い事市場に参入して気づいた、今後の動向などについてお聞かせいただけますか?

田畑:私たちの思惑としては、この事業を通して先生をもっと発掘できるのではないかと思っています。

例えば、カルチャースクールなどでしっかり講座をされている先生方は資格を持っていますし、通常、開催場所も用意されます。しかし、そうした教えることを生業としている先生とは違う会社員のなかにも「知識やスキルを教えたい」という人たちが、実はたくさんいると思っています。そういう人たちが気軽に教えられる場所を提供できれば、自分たちのさらなるスキルアップにつながるだけでなく、生きがいにもなると思うんですね。

私たち九州電力は、講座を開催できる場所を持っています。この資産を活用してもう少し自由にライトな層が気軽に教室を開けるような場として提供していけば、習い事はもっと身近なものとして広がり、市場そのものも拡大していくのではないかと考えています。

三村:私たちの協業を一つの成功モデルにして、そのモデルをパッケージ化して販売できるのではないかと模索しています。

具体的には、現在構築を進めているシステムと西日本新聞TNC文化サークルが持っているサークルの運営ノウハウと人材を、一つのパッケージにして提供します。運営に人手がかかる部分はシステムを使うことでかなり省力化できると思いますし、受講料の決済や生徒の出欠確認などは全てオンライン上で解決できるようにしたいですね。

田畑:たしかにビジネスとしてリアルな市場とデジタルを融合させることは重要なキーワードですね。九州電力も事業として展開している以上、ある程度収入を確保しないといけません。そのため、今後各地のカルチャースクールに、場所だけでなくシステムの提供も通じて収入を得ていくことも進めていきます。

それは結果的に、カルチャースクールや先生、生徒にとっても利益になる。特にカルチャースクールは、どちらかというとまだデジタル化が進んでいないと想定しています。こうした協業をどんどん進めていきたいですね。

4.教える人や学ぶ人の目的はさまざま

ー登録されている先生や生徒の特徴や目的についてお聞かせいただけますか?

三村:西日本新聞TNC文化サークルには、30代から50代をメインに、なかには20代の方も含め毎月2、3人は先生になりたいという方が来られます。

人に何かを教えたい方はたくさんいらっしゃいますし、そうした教えたい方に場を与えることも大きな意義があると思っています。ネットがこれだけ身近な存在になり個人的に発信する機会が増えたことも、「人に何かを教えたい」意欲を刺激しているのかもしれません。

田畑:そうですね。西日本新聞TNC文化サークルのようなカルチャースクールで教えている方もいらっしゃいますが、おけいこタウンの場合、もう少しライトな感じです。九電はキッチンスタジオを持っているため、プロの料理研究家や料理人ではないけれど、料理を得意としている方が気軽に料理を教える教室を多く開催しています。それ以外にも、ハンドメイドや習字など、趣味の延長線上で教えているような講座が多いですね。副業でやられている方は2~3割で、個人事業主としてやられている方が大半です。

三村:先生の幅は広い一方、生徒の特徴は顕著で、7割が女性。しかも最も人数が厚い年齢層は70代です。60代以上が7割から8割を超えていますし、50代以上に絞れば90%に達します。

田畑:おけいこタウンも西日本新聞TNC文化サークルと一緒で、生徒の性別としてはほとんどが女性ですね。

おけいこタウンはもともとインターネットからスタートしているためか、もう少し年齢層としては低めで、40代・50代が一番のボリューム層になっています。

三村:興味深いのは、生徒の半分くらいが、エンターテインメントとして講座を楽しみに来ていることです。コロナ禍以降、対面では会いにくくなりましたが、文化サークルに行けば習い事仲間が来て、同じ趣味で会話も弾みます。文化サークルは、憩いの場であり楽しみの場でもあるんですね。今後、習い事市場は、こうしたコミュニティとしての役割も担っていくのだと思います。

5.事業運営を通して感じる喜び

ー最後に、これまで事業運営を通して感じる喜びや嬉しかったことがあればお聞かせいただけますか?

田畑:講座の場所探しに苦労されている先生からは、「非常にアクセスが良い」「九電でやっていることは生徒にも安心感がある言葉として使えるため集客もやりやすくなった」などの感想をいただくことがあります。私たちの事業がこうして利用者の方々の役に立っていること、社会貢献につながっていることを実感できるような言葉を聞けたときは、やはり嬉しいですね。

三村:私たちにとっては、九電からあらためて協業のお声がけをいただいたことは大きな喜びでした。おけいこタウンと協業できなければ、西日本新聞TNC文化サークルはなくなっていたかもしれません。

ー具体的に九電と協業することで、どのようなメリットがあったのでしょうか。

三村:今までの教室がノース天神の8階にあったのですが、ご存知の通り天神地区再開発によるノース天神のリニューアル工事に伴って9月までに退去要請が出たのが去年の夏。生徒からすると「その街に魅力があるから講座へ行く」ことが動機の大きな部分を占めていたこともあり、天神から離れることはマイナスでした。そのため天神界隈で代わりの環境を探したのですが、なかなか見つからなかった。

そこに九電から声をかけていただき、なんとか渡辺通でサークルを継続することができました。渡辺通は天神ではないけれど都心で、駅にも隣接していて非常に利便性が高い。おけいこタウンから協業の提案をいただいたからこそ、西日本新聞TNC文化サークルを続けられていると思っています。とても感謝していますし、九電は私たちにとって命綱です(笑)。

田畑:こちらこそ、西日本新聞TNC文化サークルと協業させてもらったことで、先生や生徒への対応の仕方をはじめ、講座のエンターテインメント性や「どういうところに注意すれば人気が出る講座になるのか」などは、私たちもノウハウとしてどんどん吸収しているところです。

これからは、協業していくことが大きなキーワードになってくると考えています。互いに足りない部分を補い合い、より大きな事業として成長していければ、より多くの方々に教える喜びや、学ぶ楽しさを広げていくことができる。これこそ、この事業のやりがいであり、私たちにとって大きな喜びでもあるような気がします。

終わりに

働き方改革が進んだことに加えて副業が認められやすくなった昨今。働き方も多様化して、インターネットを通じて個人が持っているスキルを発信しやすい環境が整いつつあります。そうした状況のなかで登場したおけいこタウンは、「持っているスキルを多くの人に伝えたい」「このジャンルを教えてくれる人を見つけたい」と思う方をマッチングするプラットフォーム。簡単に講座開催や集客、決済や施設スペース提供などができるため、先生デビューしたい方におすすめです!

講座を
シェアする