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税金が高いと悩む個人事業主へ!税理士が適切な税金について解説
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2021.04.07

税金が高いと悩む個人事業主へ!税理士が適切な税金について解説

個人事業主の税金に対して、「高い」と思われている方も多いでしょう。

個人事業主の所得計算は、所得税だけでなく、住民税事業税や国民健康保険料の算定にも用いられるため、適切に所得金額を計算しなければ、過度な負担が生じる恐れがあります。

そこで今回は「税金が高い」と感じた個人事業主の方に向け、見直すべきポイントについてまとめました。

青色申告を行う


個人事業主の場合、11日から1231日までの売上や経費を集計し、確定申告書として提出しますが、この確定申告を「青色申告」にすると、さまざまな恩恵を受けることができます。


なお、「青色申告」を行うためには、青色申告を行いたい年の315日までに、所轄税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

 

青色申告特別控除が受けられる

個人事業主が青色申告を行うと、「青色申告特別控除額」として、最大で65万円の控除を受けることができます。


この特別控除を受けるためには、複式簿記による貸借対照表や損益計算書の作成が必須ですが、毎年の節税効果を考えるのであれば、ぜひ適用を受けたい制度です。

 

30万円未満の備品を一括で経費計上できる

白色申告の場合、単価が10万円を超える備品は一度に経費処理できず、数年間にわたって減価償却費として費用計上することになります。


一方、青色申告を行う場合、30万円未満の備品については、購入して使い始めた際に全額を経費処理できるため、より早期に費用化が可能です。

 

赤字の繰越しができる

事業を営んでいれば、売上の減少や、臨時的に大きな経費が発生により、赤字となる年もあるでしょう。白色申告の場合、たとえ前年が100万円の赤字だったとしても、今年300万円の黒字であれば、あくまでその300万円に対して所得税や住民税が課せられます。

 

一方、青色申告の場合、前年の100万円の赤字を今年へ繰越すことが可能です。100万円の赤字と300万円の黒字を相殺することができ、相殺後の200万円に対する税負担とすることができます。

 

同一生計の親族へ給与を支払うことができる

家族間での恣意的な所得分配に利用される恐れがあるため、白色申告の場合、同居を含む同一生計の親族への給与に関しては、実際の支払額とは関係なく、一定額のみを経費とすることが認められています。

 

一方、青色申告では、事前に所轄税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することで、実際に支払う給与額を経費として計上することが可能となります。


※届出書を提出していても、労働内容に対して給与額が過大であれば否認される恐れがありますのでご注意ください。

「経費」を見直す


給与収入を受ける会社員とは異なり”個人事業主は「経費」を計上”することができます。


税金や国民健康保険料は、売上などの「収入」から「経費」を差し引いた「所得」に基づいて計算されるため、経費の影響は非常に大きいものとなるでしょう。

 

しかし、実務では経費を適切に計上できていない事例も数多く存在します。


言うまでもなく架空経費の計上は「脱税」にあたりますが、実際に事業で使用しているものを、合理的な基準によって経費として計上することは何ら問題ありません。ここからは、見落としがちな「経費」の計上についてご紹介します。

 

自宅に関する経費

個人事業主の場合には、自宅の一部を仕事場として利用するケースも多く、自宅にかかる支出について「事業で使用する分」は、経費として計上が可能です。


具体的には家賃(賃貸の場合)や固定資産税(持ち家の場合)、水道光熱費などが挙げられます。

 

もちろん、これらの支出を全額経費には計上できないのですが、たとえば60㎡のマンションのうち15㎡を仕事部屋として使用しているのであれば、これらの費用のうち25%(15㎡/60㎡)は経費として計上する余地があるでしょう。

 

このような按分計算は、上記のような床面積だけでなく使用時間などを用いることもありますが、いずれにせよ、客観的かつ合理的に計算する必要があります。

なお、持ち家の場合には、自宅の仕事スペースが全体の10%を超えると、住宅ローン控除額が減少する恐れがありますのでご注意ください。

 

車両や携帯電話代

自宅と同様に、車両や携帯電話についても、仕事とプライベートで共用しているケースが大半です。


これらに関連する支出については、走行距離や通話時間のように、実際に事業で使用した割合をもとに按分することがもっとも正確です。

 

もし、仕事とプライベートでの利用頻度に大差がない場合、たとえば週7日間に占める業務日数の割合など、より簡便的な基準によって按分することも合理的と言えるでしょう。

 

いずれの支出にしても、事業で使用するものであれば、幾分かは経費計上が可能となるケースが一般的です。身の回りで計上が漏れてしまっている「経費」がないかどうか、ぜひ一度、ご確認ください。

 

まとめ

税金や国民健康保険料は、毎年の所得計算によって決定するため、ひとつの見落としが何年もかけて、大きな損失へつながることも考えられます。「健全な税務処理」を大原則として、”税負担を抑えるための知識”を身につけておきましょう。

 

監修者プロフィール

服部 大(はっとり だい)

税理士/中小企業診断士

2020年230歳のときに名古屋市内で税理士事務所を開業。平均年齢が60歳を超える税理士業界では数少ない若手税理士。


単発の税務相談や執筆活動なども行い「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。同年代の経営者やフリーランス、副業に取り組む方々の良き相談相手となれるよう日々奮闘中。


服部大税理士事務所:https://zeirishihattori.com