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お金の教科書

扶養家族でも開業できる?扶養家族から外れる条件と外れた場合の変化を知ろう!
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2021.07.12

扶養家族でも開業できる?扶養家族から外れる条件と外れた場合の変化を知ろう!

現在扶養家族に入っている方が、新しいビジネスを思いついて開業する場合、扶養家族のままでも問題ないのでしょうか。ここではまず、扶養家族がどのようなものなのか解説するとともに、その条件や注意点を解説します。また、扶養家族から外れた場合に再度扶養家族に戻れるのか、また扶養家族から外れた場合に起こる変化やそのメリットについてもご紹介します。

 そもそも扶養家族とは

まずは「扶養家族」とはどのような状態を指すのか確認してみましょう。扶養家族とは、納税者の扶養控除の対象になる人物のことです。対象となる範囲は、年齢と、納税者から見た親等血縁の関係から判断されます。16歳以上の配偶者以外の親族、いわゆる子どもなどを指し、6親等以内の血族あるいは3親等以内の姻族である必要があります。また、納税者と同一生計であることも条件です。


さらに、所得や働き方による制限もあります。例えば、対象となる人物の年間所得の上限が定まっていて、これを超えると扶養家族にはなれません。また、青色申告者から事業専従者として給与を受ける場合、または白色申告者の事業専従者の場合は、扶養家族の対象外です。


専業従事者とは、青色申告、白色申告を行う個人事業主と生計を共にする配偶者や15歳以上の親族で、年間6か月以上、その事業にもっぱら従事している人物を指します。例えば、父親が個人事業主として商店などを営んでいる時に、その子どもがその商店で働いている場合、年間所得の上限を超えていなくても、扶養家族にはなれないのです。


なお、扶養家族はこれまで解説した税金関係とは別に、社会保険などで条件や考え方が異なるため、注意が必要です。

 

 扶養家族に入ったまま開業できる?

現在、自分が扶養家族である場合でも、そのまま開業届を提出することで開業が可能です。しかし、始めたビジネスにより、年間所得が扶養家族の条件を上回った場合には、扶養家族から外れることになります。その年間所得額は48万円以下で48万円を1円でも超えると扶養家族の対象ではなくなるのです。この額は一見少なく見えますが、売上からビジネスにかかった経費を引いた金額、すなわち「所得=収入(売上)−必要経費」で計算されることに注意が必要です。


また、被保険者の社会保険に扶養家族として加入していた場合は、社会保険上の扶養家族から外れる条件があるため注意が必要です。社会保険の扶養家族は、原則年間収入が130万円未満という条件があり、年間収入がこの条件を超えることがわかった時点で会社に申告、手続きの上、扶養家族から外れなくてはなりません。


一方で、ビジネスの失敗などによって収入が減ってしまうことも考えられます。この時、扶養家族の条件を満たしていれば、再度扶養家族になることが可能です。


 

 開業によって扶養家族から外れた場合に起こる変化とは

まず、扶養家族の場合、納税者の社会保険などに加入していることが多いと考えられますが、扶養家族ではなくなった場合、これに加入し続けることはできません。そのため、自身で国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。また、納税者は扶養家族が減ることにより、控除額が減るため、税額が増えることも考えられます。


一方で、大きなメリットもあります。自分で国民年金を支払うことにより、将来受け取れる年金の額が増えます。なによりも、自分で始めたビジネスを成長させるという夢や目標を追うことや、ビジネスにおける達成感などは、扶養家族のままでは味わえない、大きなメリットといえるでしょう。


扶養家族から外れることを心配して、売上を伸ばせないと考える方も少なくありません。確かに扶養家族の条件をぎりぎり超える程度の収入では「開業は損をする」ようにも考えられるからです。しかし、そうではありません。まずは、開業したビジネスを大きく成長させることを第一に考えましょう。ビジネスを成長させ、所得を増やすことは、家族全体の所得を増やすことにつながるからです。

 

 まとめ

扶養家族のままでも開業は可能です。一方で、開業後のビジネスの売上によって、所得が扶養家族の条件を超えた場合には、扶養家族から外れることになります。また、扶養家族から外れた場合には、自身で国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。


扶養家族から外れる場合、一見デメリットを大きく感じてしまいがちですが、そうではありません。自身で年金を収めるために、将来もらえる年金額が増えたり、ビジネスの収入によって家族全体の所得は増えたりするからです。なによりも、開業して始めた自分のビジネスであるため、そのやりがいや達成感は、扶養家族のままでは味わえなかったことともいえます。なお、もし所得が減り、扶養家族の条件を満たした場合には、再度扶養家族になることも可能であるため安心してください。


扶養家族を気にして売上を調整するよりも、ビジネスを大きくすることを考えて行動しましょう。これこそビジネスを成功させる一番のポイントなのです。


【監修者プロフィール】

税理士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、相続診断士、事業承継・MAエキスパート ・並木 一真(なみき かずま)

2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等、幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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